恋愛スキルライセンス
その日を境に、その女子のことは微塵も好きとは思わなかった。
真剣にしていた恋愛相談も聞き流し、適当なことを言うようになった。
なぜか恋愛相談されることが増えて、いろんな女子が笑顔になっている気がする。
けれどもう例の初恋の彼女は俺に話しかけてこなくなっていた。
もう俺には何がなんだか分からなくなっていた。
「ありがとう圭一、あんたのアドバイス通りにやったら上手く仲直りできたよー」
「圭一くん、いつも真剣にきいてくれてありがとう。」
「なあ、圭一、実は俺、あのこのことが…」
みんな…、適当な相槌で幸せになっているみたいだった。
それが、俺は悲しくて仕方なかった。それでもみんなを不幸にしたくはなかったから適当でも話は聞くフリをつづけていた。