恋愛スキルライセンス
「なあに、いい話さ。このスイッチを君が押してくれればいい。そうすればしおりさんには高圧な電流が流れるようにしてある。」
「はあ!?なにいってんだてめえ!」
俺は防音の部屋で叫ぶ。
「しおりさんは僕の優秀な味方だったということは君も気づいてたんだろう?」
気づいてたというより、俺はただひたすら警戒しただけだったけどな。
「会長!!どういうことなんですか!!こんなの、わけがわかりません!!きゃ、あああーーーー!!」
しおりの電極コードがパチパチと光った。
「どうだい?でもこんなの序の口さ。君に渡すスイッチはもっと協力なのが流れる。」
そう言うと会長は俺にスイッチをなげた。
「僕はゴム手袋をしながらしおりさんに触れている。だからあとは君がスイッチを押すだけさ。大丈夫、この手袋は焼き払われて僕も焼け死ぬ。結末は二人で心中ということになるからさ。」
しおり…、お前、本当に仲間だったのか?
紀之、それともそれはハッタリなのか?
「どうしたの?スイッチ押したくないんだ?」
俺は震える手でスイッチを握りしめていた。
「だったらさあ、誰も傷つかないいい方法があるよ。」
!?
「花蓮君をこちらによこせ。よこすと言った瞬間にまず電極コードぐるぐる巻きのしおりさんを歩ける程度にはしてやる。」
「なっ!!」
「けい、いち、くん…。」
しおりは感電したせいか意識朦朧で俺の名前を呟いている。