恋愛スキルライセンス
「美緒!!もういいだろう!!!」
俺がそう言うと、
その場にいた全員が美緒の方を向いた。
そして紀之は笑う。
「はあ!?なにいってんだ二年生!美緒はスイッチもなにももってないんだぜ!?」
美緒はニコニコしていた。
さらにカウントダウンは進む。
「は、離せ圭一!!私の知ってる圭一は!!こんなことで!!」
初めて聞く花蓮の必死なセリフ、俺はその花蓮を抱きしめるかのように止めながら。
「ああ、おまえの知ってる圭一は、必ずみんな守ってみせる。」
「ぜええろおお!!俺が本気でやらんとでもおもってたのかああ!!!」
悪魔そのものの形相で紀之はスイッチを押し込んだ。
シーン…。
初めに口を開いたのは美緒だった。
「圭一、いつから気づいてたの?」
ふうーー。
「つい先日…かな。」
花蓮はなんのことかよく分からない顔をしており、しおりは気を失ってるようだった。
「ば、爆発はどおしたああああ!!!!」
悪魔が叫ぶ。
「圭一!!あんた紀之をとらえなさい!!」
なぜか美緒の号令にバッと駆け出し、俺は紀之を捕らえてそこにあったコードで縛り付けた。
「ご協力感謝する。」
美緒はそう言うと録音機を取り出して紀之に見せた。
「あんた、逮捕よ?紀之」
「たいほ…?なに?おれ…?」
紀之から力がすうっと抜けるようだった。
俺は安心するとすぐさましおりの元へかけよった。
「しおり!しおり!」
するとしおりは弱々しく目を開けた。
「圭一…くん。」
「すまなかったしおり!俺はずっとお前を疑っていた。」
俺はしおりの身を起こし、ひたすら謝った。
「圭一くん、花蓮さん、みんな、助かったの?」
「ああ、言っただろ?花蓮もしおりも、みんな守るって!!」
「圭一くん!!」
ガシッとしおりに抱きつかれた。
俺は思わずドキッとした。
こんなときにもしおりって胸意外とあるんだなあとか、女の子っていい匂いがする、なんて思ってしまう俺も、所詮くだらない男なのかもな。
スタスタと歩いて花蓮に歩み寄る美緒。
「あなた、何者?」
花蓮は元の表情にもどり、そう聞いた。
「んー?あたしのおじいちゃん政府(笑)」
二年生が始まって最も驚いた一言だった。