恋愛スキルライセンス

そんな虚無感の中、俺は一つ分かったことがあった。




恋愛は幸せではなく、幻想をまとった絶望のようなものであるということ。





そんなもののためにみんなに無意味な希望を明るく振る舞って与えるのがイヤでイヤでたまらなかった。








そして、高校の進学は、なるべくみんなが通わないような私立にいくことにした。




そこでは、偽りの笑顔なんか創らず、くだらない希望も生み出さなくて済みそうだったからだ。





俺は進学したら一気にこの生ぬるいキャラを変えようとしていたのだった。






俺の望み通りそれは叶い、スポーツ勉強万能型のクールな俺が高校生としてデビューできたのである。





無駄な笑顔は控え、なるべく人と関わらない、女子を好きにならない。




これを守れば辛くないと考えて、高校二年生の今に至るのである。


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