恋愛スキルライセンス
法律と言うからには市役所からの手続きもあるのだろう。住民票のようなモノまでメモされているこの手帳。
会場はさらにざわついている。
「えー、お気づきになられた方もいらっしゃると思いますが、最後のページの電子画面に表示されております数字が皆様それぞれのスキルポイントでございます。」
スキルポイント?
どれどれ…、俺のスキルポイントは…、
89…か、高いのかそれって…。
「引き続き、本法律の内容の説明をさせていただきます。」
説明?ああ、法律の規制の内容かよ。どうせ恋愛なんて俺にはもう関係ないんだ。
「今回、そのスキルポイントが60を満たされておられない生徒様方には今後異性と交遊したり触れることは禁じられます。」
!!??
なんだその下らないルール!
俺はまったく興味がなかったが、あまりのくだらなさに耳を再度政府の方へ傾けた。
場内のざわつきからして60に満たない者達もわりと少なくない様子らしい。
俺は恋愛する資格に満たされているのか…。
俺はその当たり前の優越感に少し笑ってしまった。