恋愛スキルライセンス
「えー、静粛に!!補足をさせていただきますと、異性とのお付き合いについてですが、お二人のポイントを足して120以上であること、また、お二人のポイントの差は15ポイント以内ということ。これが主な規制の内容でございます。」
ほうほう、まるで幼稚な法律だなあ。
中学時代に俺が考えていたこととダブって見えるくらいだ。
こんなバカバカしい法律ができるなんて世も末だな。
「こら!!勝手に動くな!列を乱すな!!」
バチバチバチ!!!!
そのときだった、激しい破裂音のような音が鳴り響いた。
その方向を見ると、ふたりの男女が倒れている。
これには教師達も不安な顔を隠せなかった。
「えー、軽い電気ショックでございます。お二人は気絶されております。ごらんの通り、望ましくない男女のお二人が触れあうと電気ショックが発動するようになっております。」
はあ!?そんなガチで危ないもん持たせるのかこいつら。
一斉に場内の男子は女子と離れ、女子は男子と離れた。
「ふざけるな!!自由だろうがそんなもん!!」
教師を含め何人かの反対派が政府に怒鳴っている。
「静粛に!!法は制定されたのです。ちなみに恋愛スキルライセンス、以下LSLとします。LSLの携帯は絶対です。必ず半径5メートル以内に置いておくようにしてください。また、自宅での入浴は5メートル以内で済みますが、温泉などどうしても手帳を持ち込めない場合は電子画面で内容の手続きをよろしくお願い致します。また、海外に出られる場合は一度近くの役所に預ける手続きなどこれまたなにかとやっかいでございます。」
ここまでこだわってるとなんかめんどくせえな。
だいたい電気ショックって死ぬ可能性だってあるじゃないか。
それでも俺は政府の話を真剣に聞き続けた。