恋愛スキルライセンス
「な、なんだよ気持ち悪いな。」




なにやら良からぬ事を考えてそうな顔だった。


お前のその顔が犯罪者だよ慎二。


すると慎二は手をばっと上に上げて、こう叫んだ。



「政府さん!!!このルールをみるかぎり!!俺は付き合い続けることができるぜ!しかもポイントも守らずにだ!!!」





うわこいつ本物のバカだよ。


場内はざわざわと慎二の方向を見始めた。




まあ、俺ももうその方法には気づいたんだけどな。




「そこの生徒さん、どうぞ、おっしゃってください。」





政府のおじさんも慎二の方へ手を向けて発言を許した。





「触れなきゃどうってことはない!!つまり触れさえしなきゃデートはいつまでも可能だ!!結婚さえもなにその通りだ。

このルールには距離についてはうるさいが男女間の距離については規定されていない。


まあ、そこまでしたら学校も社会も成立なしえないしな。




さあ、どうするんだ政府…。




「ああ、それならばご自由にどうぞ。デートでも結婚でもしてくださいませ。」




は?




それでいいのか政府。



俺は少しぽかんとしてからがっかりした。


その政府の中途半端さにだ。



後ろで慎二はバカみたいに喜んでいるのに、ほっといていいのかよ。



そして、だいたいの説明を終えて、政府の発表は終わった。




新たに生まれた法律だが、俺にはなんの関わりもない、今まで通りの生活なだけ。



ただ少し面倒が増えた程度だ。






このときは本気でそう思っていた俺だった。
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