恋愛スキルライセンス
仕上げに掃除機をかける。
これで普通の女子と同じような部屋に、なったのかな?
「なんか、すうすうして落ち着かないね。」
「バカだな花蓮…。これで心が改まるだろうが。」
「改まらないね。」
「そうか、はは…。」
時刻は放課後を越えていた。
花蓮はお茶を入れてくれた。
「ふー、うまいなこのお茶…。」
「うん、上質。」
「花蓮、今日おれ学校終わったみたいだからさ。もう少し話してるか?」
コクっと頷いた。
「ていうか、腹減ったな。」
「そうかな?」
花蓮は首を傾げてからゴソゴソとスーパーの袋を探っている。
「あった…、カップめん。」
「…、あのさ、なんか買いに行って料理しようぜ?」
健康にも気をつけなきゃいけないと思って俺はそう提案した。
「家から出たくなかったら、俺買ってくるけど?」
「ううん、でてみる。」
花蓮の無表情は相変わらずだった。
でもどことなく幽霊のような雰囲気は消えていて、人間という存在感がでてきている。
俺達は寮をでて、スーパーへと向かった。