恋愛スキルライセンス
無視して歩こうとしてるのに、慎二は目の前に回り込んでくる。
「お前、なにやってんだよ!そしてなんで女子なんかと通ってる!?俺という者がありながら!」
あほかこいつ…!
「圭一、そっち系?」
花蓮までがそう言ってくる始末。
「慎二、おまえが来ると余計ややこしい。俺たちは二人で登校してるんだよ。」
無視して歩こうとする俺たちの横を歩き続ける慎二。
「君が、花蓮ちゃん?初めまして俺慎二、圭一の親友でーす!」
花蓮は慎二の方をみたあとこちらを見返す。
「大丈夫、こいつも人畜無害だからさ。」
花蓮は頷く。
「うん、この人、大丈夫。」
「はっはっは!大丈夫に決まってるじゃんねー!」
大丈夫じゃねえだろ…これ。
「おい慎二、あんまり目立たせないように歩いてくれよ。」
俺はやかましい慎二にそう一言。
「お前ら二人で歩くよりはよっぽど目立たねえって…。それに、なんか変な視線感じるしなあ。三人の方が安心だって!」
こいつの言うとおり、歩いてる途中で嫌な気配がするのは俺も気づいた。
「大丈夫、変なヤツ来たら俺が花蓮ちゃん守ってやるからさ、ついでに圭一くんも!」
ポンポンと花蓮の肩をたたきながら慎二はそう言った。
コイツあほにもほどがある。
花蓮が80超えてなかったらヤバいんだぞ…?
嫌な視線は何者だったのか分からないまま俺たちは教室についた。