恋愛スキルライセンス

無視して歩こうとしてるのに、慎二は目の前に回り込んでくる。




「お前、なにやってんだよ!そしてなんで女子なんかと通ってる!?俺という者がありながら!」




あほかこいつ…!





「圭一、そっち系?」




花蓮までがそう言ってくる始末。





「慎二、おまえが来ると余計ややこしい。俺たちは二人で登校してるんだよ。」





無視して歩こうとする俺たちの横を歩き続ける慎二。





「君が、花蓮ちゃん?初めまして俺慎二、圭一の親友でーす!」




花蓮は慎二の方をみたあとこちらを見返す。




「大丈夫、こいつも人畜無害だからさ。」





花蓮は頷く。






「うん、この人、大丈夫。」





「はっはっは!大丈夫に決まってるじゃんねー!」




大丈夫じゃねえだろ…これ。





「おい慎二、あんまり目立たせないように歩いてくれよ。」




俺はやかましい慎二にそう一言。




「お前ら二人で歩くよりはよっぽど目立たねえって…。それに、なんか変な視線感じるしなあ。三人の方が安心だって!」






こいつの言うとおり、歩いてる途中で嫌な気配がするのは俺も気づいた。





「大丈夫、変なヤツ来たら俺が花蓮ちゃん守ってやるからさ、ついでに圭一くんも!」




ポンポンと花蓮の肩をたたきながら慎二はそう言った。





コイツあほにもほどがある。




花蓮が80超えてなかったらヤバいんだぞ…?




嫌な視線は何者だったのか分からないまま俺たちは教室についた。
< 68 / 121 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop