恋愛スキルライセンス
いつものように授業は始まったが、花蓮には俺が教科書を見せながら授業は進んだ。
驚いたことに花蓮は授業をほぼ理解している。
本人は配布されたプリントを家で見ていたらしい。
それでこれだけできるなんて…、こいつやっぱりできる女なんだ。
そういう面もスキルポイントがリンクしているのかもしれない。
そうしてなんの心配もなくいつものようにお昼がくる。
心配は、生まれた。
「圭一君、今日もお昼一緒に食べませんか?」
そう言ってきたのはしおりだった。
「あ、ああ、いいけど、花蓮も一緒にな。」
しおりは笑顔でうんと頷く。
「あっ、圭一君、昨日お弁当忘れて帰ったでしょ?私実は持って帰って今朝作ってみたんですけど、よければ…。」
そう言って、なんとしおりは俺の弁当を出してくれた。
けど、左隣に花蓮が無言で弁当を出してじっとそれを見つめている。