いちごみるくと恋わずらい
『菊池はカッコいいもんな』
そう言った卯月くん、やけに感慨深げだったもん。
同じ部活の仲間を褒められて嬉しかったんだ、きっと!
「あ、そうだ。隼人、今週末、空いてるか?さっきユウと花見でも行こうって話してたんだけど」
「……菊池と?つか、まだ桜咲いてないよな」
「そう言ったって、来週からは土日も練習ガッツリ入ってくるから無理だろ。だから今週しかできないし、気分だけでも花見してーなって思ってさ」
「……うーん」
予定が微妙なのか、それともまだ満開とは言い難い桜を見に出かけるのが嫌なのか、卯月くんは少し考えるように眉をしかめた。
「あ、そうだ。お前らもどう?男3人で花見ってのも盛り上がりに欠けるし。どうせヒマだろ」
卯月くんが答えあぐねている間に、佐伯くんがニヤッと笑って私と名桜を見てそう言った。