いちごみるくと恋わずらい
……え。
佐伯くん、いきなりどうしたんだろう。
と私は少し慌ててしまったけれど、名桜ちゃんはといえば至って冷静で、むしろ呆れたようなため息すら零している。
「……佐伯、あんたって本当に鈍いよね」
「はぁ?」
名桜ちゃんの言葉に佐伯くんは、訳がわからないような声を上げたけれど、私にも名桜ちゃんの言葉の意味は分からない。
「……なんか俄然楽しみになってきたわ、日曜」
クスッと笑った名桜ちゃんは、どうやらテンションが上がっているらしい。
私と佐伯くんは、そんな名桜ちゃんのテンションが上がる理由が分からなくて、思わず顔を見合わせて首をかしげたのだった。