いちごみるくと恋わずらい
なんだか頭が追い付かない。
追い付かないから、考えがまとまらないまま、言葉を口にしてしまう。
卯月くんに何を言われるのか、検討がつかないからこそ怖くて。
「……あ、もしかして昨日のこと?ふたりでご飯行こうって言ってくれたけど、やっぱり無理だっていう話?
そうだよね、付き合っていたのがばれたら停学になっちゃうんだもんね、そんな紛らわしいことできないよね。
大丈夫だよ、冗談だって分かってるし、本気になんてしてないから」
「……モカ?」
突然勢いよく喋り出した私を戸惑ったように呼ぶ声も、無視してしまった。
一度喋り出してしまったら、止まれなかった。
「えへへ、無駄にドキドキしちゃった。卯月くん、好きな人のことを話してたとき、やけに熱っぽく見てくるんだもん。卯月くんカッコいいんだからね、そういうことしたら恋愛なんて慣れてないウブな子は勘違いしちゃうよ。
私、バカみたいに単純だし、慣れてないから卯月くんにとってはなんでもないことでも意識しちゃうんだよ。卯月くんにはちゃんと好きな人がいるってわかってるのに。バカだよね。本当、バ」
「モカ!」
私の言葉を遮るように強い口調で私を呼んだ卯月くんは、唐突に私のほうに手を伸ばしてきて。
「きゃ……っ」