いちごみるくと恋わずらい


────唇が、触れる。

そう思った瞬間、思わずキュッと目をつぶってしまったけれど。


「んっ!?」


私の唇に触れたのは、卯月くんの指先だった。


目を開けて視界に飛び込んできたのは、困ったように笑う卯月くん。


「あー、もうっ!さすがにこれ以上はダメだ。
モカも止めろよ。このままキスしてもよかったのか?」


き、キス……!?


「そ、そんなこと」


それを予感して目を閉じたのは間違いないのに、いざ言葉にされると恥ずかしくて顔から火が出そう。

かああっ、と見事に顔が赤くなった私を見て、卯月くんは笑った。


「本当、ひどいよな。こっちは必死で抑えようとしてんのに」

「え」


はなれたと思った距離が、一瞬だけ。

本当にほんの一瞬だけ、重なった。


「っ!?」


今……!

キス、された……!?

口じゃないけど!

おでこだけど!

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