いちごみるくと恋わずらい
停学?
それとも、た、退学……!?
恋愛禁止の校則を破った罰なんてしらない私の想像はどんどん悪い方へと広がっていき、考えただけで泣きたくなる。
「どうか退学だけは……!」
思わず出た声は、すでに涙声だった。
懇願するように委員長を見上げれば、驚いたように私を見ている。
しばし、ぽかんとした顔をしていたけれど。
「……ぶはっ」
……ぶは?
急に吹き出した委員長に、私は思わず首を傾げた。
「あははは!いやいや、こんなことで退学になんかできるわけないだろ!?」
……え、そうなの!?
「だ、だって恋愛禁止じゃ……」
「恋愛禁止、なんて校則のどこにも書いてない。俺が取り締まってんのは、男女交際。付き合ってなきゃセーフ。あんたみたいな片想いまで取り締まってたらキリねぇだろ。想う分には自由だよ」
笑いながらそう言った委員長は、ぽんぽん、と私の頭を軽く叩いて、アホだな、と言ってきた。