いちごみるくと恋わずらい
スクールバッグの肩ひもをギュッと握っていたせいで見えなかったらしい、胸元のリボンの色をわざわざ覗き込むようにして確認した委員長。
私のリボンが彼のしているネクタイと同じ深い赤の色であることを認めると、「なんだ」と声を上げた。
「敬語使ってるから、てっきり後輩かと思った」
ふっと笑って、私の肩に触れたまま、近い距離のままにリボンから視線を上げた委員長。
形のいい二重瞼の瞳が、笑みに細められる。
……息がうまくできないのは、この距離のせい?
「……」
「……おい?」
黙り込んでしまった私を、委員長は再び首を傾げてじっと見つめてくる。
こんなに近距離で男の子に見つめられたことなんてない私には、その視線が耐えられないくらい刺激が強くて、一体どうしたらいいのか分からない。
「おい、何かたまってんだよ?」
「……ち」