天才極甘党系男子



「えっ…」


ドアの前にいたのは驚いた顔をした颯佑。


わたしは泣くのを抑えて、颯佑のとなりを通って家を出た。


「澄乃っ!」


「どうしたんだよ」


後ろから2人の会話が聞こえる。


聞こえてないフリをしてわたしは走った。


聞きたかった本人から。


過去も、医者になった理由も。


「おい!」


そして。


わたしの知らなかった。


ひとりの存在を。



< 116 / 306 >

この作品をシェア

pagetop