天才極甘党系男子



「とりあえず、追いかけてちゃんと自分から話しなよ」


「…もうこのまま別れちゃった方が幸せなのかもしれない」


そんな弱音を吐く颯佑。


らしくない。


「あいつは無理やり結婚するんだよ。
まだまだ若いのに、6.7歳も離れた僕と」


「でも、もうあの子の中では決まってると思うよ?」


「…それを、変えてくれたら」


「あんた、まだスミノを引きずってるの?」


「それはない!
もう、半年以上も前なんだから」


そう言って颯佑はまた黙り込んだ。


このガキ。


どうすればいいんだろう。


いつもなら自分から進んでなにかをするのに。


澄乃のことになると、なんだか。


奥手。



< 119 / 306 >

この作品をシェア

pagetop