天才極甘党系男子
「涙でそう…」
「言ってみ?」
いつもならありえないような優しさ。
濱さん、どうしてそんな優しくするんですか?
口を開こうとすると、勢い良くドアが開いた。
「いらっしゃいませ」
濱さんは立ち上がって一礼すると案内しようと近づいた。
「いい、大丈夫です」
その声にわたしは顔をあげた。
「なんで……?」
「聞いたんだよ、咲和に。行きそうなところ」
「……っ」
近づいてきてわたしを見下ろす。