天才極甘党系男子



濱さんはわたしと向き合おうとしてる。


わたし自身よりも。


「濱さん」


「ん?」


「わたし、ちゃんと決心がついてから会いに行きます」


そうする。


失うのが怖い。


それを口にした瞬間、そう思った。


「失う決心?」


「はい。こう思ってる時点でなにかあるんですよ、きっと」


「それくらいポジティブでいてあんただもんな」


安心したようにニッと笑う。


でもすぐに真顔に戻った。


「それまでどうすんだよ」


「……んー…あっ!」


「…え?」



< 133 / 306 >

この作品をシェア

pagetop