天才極甘党系男子
「寿美乃、本当にありがとう。
支えてくれて一緒に頑張ってくれてありがとう
」
「ううん、頑張ったのは颯佑がいたから。
ありがと、颯佑」
「…寿美乃」
「ん?」
「心平に会ってくる。んで伝えてくる」
「わかった」
「…そしたら」
そしたら。
僕の気持ちを伝えたい。
寿美乃に。
「待ってるよ、颯佑」
察したようにヒラヒラと手を振る。
僕は頷いて、寿美乃の家から出て心平に電話する。
「心平!」
『んだよ、うっせえ』
「受かったんだ!僕!医大に受かった!」
『…は?まじかよ!』
「今から心平んとこいく」
『俺、合否気になってお前ん家の前にいる』
「…えっ?」
『俺のせいでもし落ちてた時にこれからお前死に物狂いで勉強しそうで怖かったから』
「…っ」
『でもよかったわ〜合格したんか。
それならさ、もう寿美乃んとこ行って愛の告白してこいよ』
「…心平」
『気づいてんだよ、バーカ。惚気待ってんぞ。
あ、振られた時の対処はしねーから。じゃーな』
僕は足を止めて通話の切れた携帯を見下ろす。
心平。
僕は本当にいい友達を持った。
「ありがとう…」
言えなかった、感謝の気持ちを僕はつぶやいた。