天才極甘党系男子



家に帰ってきて晩御飯の用意をする。


準備がし終わった頃に颯佑は帰ってきた。


「ただいま」


「あ、おかえり!」


「…今日はご飯食べたらまた病院行く」


「あ、わかった」


前もこんなことあったな。


号泣したんだっけ。


「はい、どうぞ」


すぐに用意してわたしは颯佑の向かいの席に座る。


いただきます、と2人で食べ始めた。


「あいつが、いい奥さんもらえるなって言ってたよ」


「あいつ?」


「寿美乃…えっと」


「店長ね」


「ん」


「そんな、いい奥さんじゃないのにな〜」


「……父さんのことを片付けたら、結婚する準備しよう」


「えっ?」


「…僕たちが出会って何ヶ月?」


「えっと…3ヶ月?」


夏の終わりで蒸し暑かったあの頃も、今ではひんやりとしてきた。


それがわたしたちの変わりを意味してる。


「…まだ、早いか」


「任せるよ」


欲を言ってしまえばお互いが好きになってから。


そんなこと思ってしまう。


それはないことなのに…求めてしまうのはきっと今が幸せだから。



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