天才極甘党系男子



「何か、言いたげだね」


「へ?」


わたしはあなたのこと何もわからないのに。


あなたはわたしのことをわかってしまう。


「言ってみ」


「…なにもないよ」


「澄乃」


「ほら、食べ終わったなら病院行かないと」


「澄乃の聞いてから」


こんなに頑固だなんて。


お義父さんそっくり。


そう言ったらきっと眉間に皺を寄せるんだ。


「帰ってきたら言うね」


「…ん」


渋々、というように食べたものを片付けて、颯佑は病院へ戻っていった。



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