天才極甘党系男子
きっと、欲しがるだろうな。
「王城寺先生」
「はい」
ドアをノックして入ってきたのは同僚の救命救急医。
「どうも」
「おはようございます」
「ちょっと、手伝って欲しいんだけど」
「えっ?」
「…こっちに来て。話がある」
「あ、はい」
僕はカルテをおいて部屋からでた。
そして着いたのは、本棟とは少し離れた救命棟。
「これからものすごい人数が運ばれてくるわ。
現地に行く人もいるけど、ここで迅速な措置を取れる人を求めてるわ。
患者が来てからいろいろ放送とか始まるだろうけど今は状況把握のできるチーフを集めてるの」
ものすごい人数…。
「あなた、若いけど腕は確かだから、
わたし達の中から推薦で選ばせてもらったの」
「ありがとう」
「大丈夫。あんたならできるわ。早い処置頼むわよ」
そう言って小さな会議室に入った。