天才極甘党系男子
11日目。
僕はまた澄乃の病室に来た。
他の医師からは脳死してるんじゃないか、とまで言われている。
それはない。
絶対に、ない。
僕はまたいつものように作業をして、椅子に座る。
「おはよう、澄乃」
この何日間で、僕はまた変わったよ。
前のように、なにも誰も信じなくなった。
でもひとつだけ信じてる。
澄乃が目を覚ますってことだけ。
奇跡を信じてる。
澄乃が、家にいないのがなんだか嫌で最近は帰ってない。
こんなにも僕の中での存在が大きかったなんて知らなかったよ。
いいたい。
早く、言いたい。
澄乃に目を覚ましてもらって
大切な存在だと。
僕とずっと一緒にいて欲しいって。
そう思ってる。