天才極甘党系男子
【澄乃side】
目を覚ますと右腕に重みを感じた。
視線を下ろすと、そこには気持ちよさそうに寝ている颯佑。
時間を見るともう12時を回っていた。
さっきから4時間くらい経っていたみたい。
体制が苦しそうだけど起こしてあげるのも可愛そうだった。
体が重たい。
颯佑のせいではなく、たぶん、血が足りてないとかそういう感じ。
あたしは、また颯佑に迷惑をかけて、
身近な人がいなくなるかもっていう恐怖を与えて。
彼の中でいろいろ考えさせてしまった。
『結婚してください』
そんなことを、言われるなんて思わなかった。
なにか責任でも感じてるんだろうか。
とっても嬉しくて泣きたくなったけど、
それ以上に無理をさせているんじゃないかと思って不安になった。
それに。
見たことないくらい、わたしに話しかけてくれた。
彼なりの、気遣いだったんだと思う。