天才極甘党系男子
申し訳ないな。
そう思いつつもまた手術して、入院している自分がなんだかおかしかった。
「颯佑…」
でも、いつもこの人が助けてくれる。
それだけで嬉しい。
おかげで仕事を増やしてしまっているけど。
「ん…っ」
ピクっと動いてゆっくりと颯佑は起き上がった。
「おはよ」
「…はよ……今何時」
「12時くらいかな」
「え…」
「夜中の12時」
わたしは苦しくなって酸素マスクを外す。
すると颯佑はわたしの頬に触れた。
「…跡ついてる」
まだ寝起きの色っぽい目でふわっと笑う。
わたしはそれだけで真っ赤になってしまった。
だけどすぐに颯佑は立ち上がる。
「ここにいすぎた。また明日来る」
「おやすみ」
「…おやすみ」
颯佑は静かに病室から出ていった。