天才極甘党系男子
そうなんだけど…。
「逃げてても何も変わらないですよ、知るべきですちゃんと」
「…はい」
とは言ったものの、そんなことできるはずもない。
「あの…」
「はい?」
「どうしたら聞けると思いますか?
あの、その……切り出し方っていうか」
「突然でいいんですよ、突然で」
ふふっと笑う。
きっと、あたしがこんなことで悩んでるって笑ってるんだろう。
「この姿、見せてあげたいですね」
車椅子を出してわたしの隣に来る。
「もう行きましょうか」
そう言ってわたしを抱き上げ、車椅子に座らせた。
はやく、こんなことなくならせないと。
ちゃんと歩けるように頑張ろう。
歩けるようになったら、
いや、今日のリハビリが終わったら、聞いてみよう。