天才極甘党系男子
「白須先生も、もういい?
部屋に返したいんだけど、僕」
「2人になりたいんですね〜、はーいどーぞー」
そう言って、ひらひらと手を振ると、
颯佑はわたしを抱き上げて車椅子に乗せて、押しながらリハビリステーションを出た。
自分がこうなってから、
人に抱き抱えられることが増えたけど、
痩せとけばよかったって本当に思う。
「どう?順調?」
「頑張れば、1ヶ月くらいで歩けるだろうって」
「そっか。
また僕が今週末、検査するからその時にもいろいろプランを考え直さないとね」
「そのへんは任せるよ、わかんないし」
わたしは病室につき、自分でドアをあけて後ろから押してもらった。
でも、そのままドアは閉まり、
ベッドの上には上げられない。
後ろから颯佑は動かない。
「颯佑?」
見上げると、まっすぐにわたしを見ていた。
「澄乃、なにか言いたいこと、あるんじゃない?」
まさか、颯佑から聞かれるなんて。
わたしは素直に頷いた。