天才極甘党系男子
「なに?なんか変なこと吹き込まれた?」
「ううん!なんでもないの」
心平さんを見るとおもしろそうにまだ笑ってる。
咲和はゆっくり立ち上がった。
「よし、颯佑も来たことだし、帰りますかな」
「えっもう帰っちゃうの?」
「これから検診いかなきゃ」
「そっか…まだ来てね?」
「当たり前じゃん!くるよ、絶対」
そう言うと、病室から出ていってしまった。
あっという間で。
ドアの方を見ていると、颯佑がわたしの頬にキスをする。
驚きすぎて、颯佑を見ると、意地悪そうににやっとわらった。
「会いたかった?」
「あ、会いたかったよ?」
「ふーん。その割には楽しんでたじゃん」
「そ、それは、友達だから!」
「くくっ…焦りすぎだよ、澄乃」
冗談だから、と軽く額にデコピンされる。
わたしはその、額を手で隠し、颯佑を睨みつけた。
「ばか」
そう言って、布団をかぶる。