天才極甘党系男子



「渡辺さーん」


ぼーっとしていると、病室に小森さんが入ってきた。


「ご飯です」


「ありがとうございます」


「…王城寺先生といい関係になれたんですね」


「あ、はい」


「おめでとうございます」


そう言って初めて笑った。


わたしはびっくりしてなにも言えない。


「隙があれば、なんて思ってましたけどそんなのなかったんですね」


「小森さん…」


「結婚式、招待状待ってますね」


そう言って部屋を出ていった。


なんだか、アッサリ。


もっと、修羅場化すると思っていた。


わたしはなんだかほっとしてご飯を食べる。


結婚式か……結婚式…。


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