天才極甘党系男子
あれから、一ヶ月がたった。
リハビリで、なんとか人の補助付きで歩けるようにまでなり、わたしは一時退院の許可をもらった。
「着替えたか?」
短めのドレスに着替えてドアを開けると、颯佑は嬉しそうに笑った。
今は、久々に帰ってきた家で結婚式の準備をしていた。
わたしたちの、
ではなくて、濱さんたちの。
「ほら、おいで」
わたしはおぼついた足で颯佑の胸に飛び込む。
「ごめんね、歩けなくて」
「そんなこと思わなくていいから。
澄乃と結婚式に出れるなんて、それだけで嬉しいんだから」
そういうと、抱き上げて、荷物を持つと家を出た。
わたしが鍵を閉めて、
一階に降りると止めてあった車に乗り込む。
「絶対綺麗だよね、店長」
「そうだな〜」
はやく足を治して、わたしも挙げたいな。
「焦らなくていいから」
運転しながらそんなことをいう颯佑。
バレバレだ、わたしの気持ち。
「…うん」
「今日は楽しもう」
「そうだね」