天才極甘党系男子
「いらない」
「え?だって甘い物好きでしょ?」
「いらない」
「少し食べるくらいした方が」
「いらないって言ってんだろ!」
すごくドスのきいた声で怒鳴られた。
そのままリビングを出ていって部屋に入り着替えると家から出ていった。
わたしは全く動けなかった。
ただクッキーの袋が床に落ちているのを眺めていた。
どうしてあんなにも嫌がられたのだろうか。
わたしは悪いことをしたの?
頭を使うから甘いものって思ったのに。
「…なんで…」
さっき怒鳴られた恐怖が震えとなって出てきて涙が落ちる。
作らない方がよかったんだ。
なんであんなに怒られたの?
「うぅっ…ヒクッ」
わたしはゆっくりと床に座り込み声を出して泣いた。