天才極甘党系男子
それは数日前のこと。
わたしの目の前にはお父さん、お母さん、そしてその人の顔写真があった。
「お見合いして欲しい」
「わたしはまだ」
「婚約者なんだよ」
いきなりだった。
なにもしらないで育ってきた24年間。
わたしはその中でいちばんの衝撃だった。
なんでも、お父さんの研究会社との連携のためらしい。
なんで、こうなってしまったのだろう。
子どもに頼らずに親だけの力でなんとかやってほしいものを。
わたしは渋々頷いた。