天才極甘党系男子



「仮にも婚約者なんですけど…あの」


「ん?」


「ごめん、なんでもない」


口に出したわたしがバカだった。


今言ったら傷つくのは自分だってわかってるのに。


ただ、勝手に落ち込んでしまった。


「なぁ」


名前も呼んでくれない。


「…ごめんって」


なんか本当に申し訳ない。


「あのさ」


「ん?」


「…なんでもないや」


わたしはちょうどよく来た料理にテンションが上がる。


フリをした。



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