黒き時の物語

焔と雷


「国王様!クローズ様とキルド・エンカ
両名が現場に到着!
交戦を開始しました!」

国王に報告をする兵士

「うむ、動ける兵士達は
動けぬ兵達や一般の民を
避難させるだ!」

「はっ!!」

兵士は部屋を後にした

「頼んだぞ…キル、クローズ」


――――――


「周りに人はいねーな?」

何やら辺りを気にするキル
ふぅっと息を吐くと
右手に力を込め出した

「焔光爆撃(えんこうばくげき)」

キルが言葉を放つと同時
前に突き出した右手から
焔が巻き起こった

ズドォオオォオオ!!

竜巻のように渦を巻きながら
焔の塊が骸骨達に向かっていく

カッ!!

骸骨の一つに当たると
爆発を起こした

ドゴオオォォン!!!!

燃え尽きたその場所には
灰にになった骸骨達がいた

「っし!」

キルは骸骨が残っていないのを
確認した後、クローズの方に
向かってっいった

「!…キルがやったのか」

屋上に上がり爆発に気付いた
クローズはキルによる
爆発だと確認し笑っていた

ザザザッ!!

「!」

クローズが気付くと
建物の屋上を囲むように
数十の骸骨がいた

どうやら宙を浮いているらしいが
原理はわからない

「こいつら空も飛べんのかよ…」

クローズは少し驚いた顔で
骸骨達を見た

「しゃーねぇ…やるか」

ガチャッと銃を空に向けたクローズ
当然上空には骸骨はいない
クローズの周りを囲っているのだから

「雷咆哮(らいほうこう)」

バァン!と銃弾を空に向けて
放つクローズ

カッ!!

同時、空からいくつもの雷が
骸骨達に降り注いだ

「ギィィイイ!!!」

悲鳴のような声をあげる
骸骨達だが雷に打たれ
沈んでいく

シュュウゥウ…

「これで全部か…」

クローズは屋上から街を見渡し
敵がいなくなったのを確認した

「クローズ!」

屋上の下から声を掛けたのは
キルと言う少年だ

「そっちも終わったか
街の人達は兵士達が避難させている
俺達はジジイのとこに戻るか」

「あぁ、しかし言葉が通じないから
情報も得られなかったな」

二人はそんな会話をしながら
国王の元へと向かった


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