結婚前夜~過去はおいていこう~
あいつ私の家族に頼んだり、手紙送ってきたり、残っていた荷物の中に
いらんものいれてきたり、未練タラタラやった。
「気持ちわる~」
「まだあきらめてなかったん。あいつ」
「今度は私がキレた」
「そんなことしても何も感じない」
「だから女に逃げられるなねん」
と言ってやった。

「あんた仕返しされんかった?」
「大丈夫やった」
「さすがに逃げた女に言われたのが悔しかったみたい」
何も言い返してこなかった。


何とか落ち着いたので、家族に話をした。
今までのこと。でも、彼のことはみんなに反対された。

「あいつのせい?」
「ちゃうよ。急に乗り換えたみたいになってたから」

彼の家族にも反対されてた・・・。

説得に回った。認めてもらいたくて。
時間はかかったけど、何とか許しがもらえた。


でも、少し不安もあった・・・。

彼以前結婚が決まっていた・・。

「うそ?」
「ほんま。」


私と再会する前の話やけど。
彼も結婚を考える人がおった。
私はあいつから聞かされた。

「先輩結婚するねんて」
「ふーん。よかったやん。」
でもその時、私は言った。
「先輩、結婚せえへんような気がする」
「何言ってんねん。へんなこと言うなや」
「賭けてもいいよ。しないと思う。」
「あほか。賭けてどうするねん」

なんて言ってたら、先輩が別れたと聞いた。


でもその時は何も考えてなかった。
ただの先輩だった。


「あんたおもろいなぁ」
「予言者??」
「なんでや。そんなんちゃうし。今でもふっと思う。何であんなこと言ったのか。」



それから付き合っていくうちに彼の会社の先輩から聞かされたこと。
「あいつすごく心配してる。何もしてあげられないことがくやしいって」
「私が相談しているときから、悩んでいたらしい。」
「中途半端なことしてたら、何もかも失うって。」
と言っていたらしい。相当悩んでいたらしい・・・。

それから私も変わった。

「確かに。ちょっとはまじめになったかな」
「酒の量は・・・増えたかな」
「遊ばんようになったね」
「うん。」
「タバコもやめたね」
「うん。」
「無理して吸ってたね。」
「すいません・・・」


「それからプロポーズ?」
「そう。」
「彼もやれやれやね。」
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