〜加茂の流れに〜
第1章
私の大学は、京都御所のすぐそば。

創始者がJ・Nというキリスト教系の学校。

在学当時2万人の学生。その内、何人が「信仰」を持っていたのか。

興味もなかった。

Nさんと出会うまでは・・・

4月。
御所の八重桜が満開。

Nさんとの出会いは新入生歓迎会。

「ねぇ、ねぇ。キミはどこの出身?」

親しげに話しかけてくる女性。

それがNさんだった。

瞳がキラキラと輝く、利発そうな顔立ち。

NさんはK市出身。私はH市。

「同県人だね」

すぐに打ち解けた。

Nさんは同じ学科の一年先輩。

ボランティアサークルに所属。

新入生獲得という思惑があったのだ。

Nさんの熱心な誘い。

断りきれず入会した。

Nさんは子供好き。

私も嫌いな方ではない。

一緒に「児童福祉施設」で活動した。

Nさんは、卒業後、教師になるのが目標だった。


続く
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