陽のあたる場所
今度は俺が、ヒナタの手を掴んでぐんぐんと進んだ。
2階はあまり女はいなくて、殆どいつも男しかいない。
だからヒナタは少し浮いていたが、男たちがちらちらとヒナタを捉える視線は悪い気はしなかった。
さっきから気づいていたんだけど、ヒナタと歩いていると、通り過ぎる男が必ずといっていいほどヒナタを振り返った。
ミニスカートなせいもあるかもしれないけど、ヒナタは背が小さかったが、今ヒールを履いていてスタイルが驚くほど美しかった。
顔もまぁ可愛い方だと思う。
俺たちはまずガンシューティングをした。
ゾンビやら怪物やらがうじゃうじゃ出てきて、それをガンコンで撃ち殺してくゲームだ。
俺は一時期これにはまって、いくら使ったかわからない。
「これ、出てこないよね?」
「何ゾンビ?ゾンビが画面から出てきたら怖くてゲームどこじゃないだろ」
本当に不思議なことを聞いてくるやつだなと思い、笑えた。
ヒナタは思ったより、ゲームが上手だった。
二人してワーワー騒ぎながら撃ちまくった。
ヒナタがこんなに笑っているのを初めて見た。
きっとお父さんの死をヒナタも引きずっていたんだろう。
30分やり続けてたら、腕が痛くなってきたが、ヒナタはへっちゃらだった。
すごいバイタリティだなあと思った。
次は俺のいつもやっているオンラインアーケードゲームをやることにした。
これはオンラインで、いろんなゲーセンにあるアーケードゲーム機のプレイヤーが、同時にプレイするRPGゲームだ。
最初にスタートパックという、500円くらいのゲームに必要なカード類がセットになったやつを購入しなきゃいけない。
プレイしてくと、カードがゲーム機から新たに貰える仕組みになっている。
他のプレイヤーと一緒に戦うも良し、一人でガンガンやるも良し。
ちょっと初心者じゃ難しいかなと思ったが、ヒナタに見本を見せてみたら、真剣に見入っていた。