土曜の昼下がりに、あなたと
土曜の昼下がりに、あなたと
金曜の深夜、彼氏の部屋にお泊まり中。
なのに――あぁ、この虚しさはなんだろう。
ソファーの前にぽつんと一人、膝を抱えて考える。
本当なら心地よいはずの行為の後の気だるさも、今はただ心を淋しく包むだけ。
ベッドでは"大義を果たした彼氏様"が熟睡中でいらっしゃる、なんて……。
義務?責任?おつとめ?
彼は本心では私を抱きたいわけじゃないのかも……。
私は求められているのでなく、抱いてもらっているのかもしれない。
「昔はこんなじゃなかったのにな……」
口をついて出た愚痴と、こぼれるため息。
いつからだろう、こんな思いを抱くようになったのは。
そりゃあね、私だってわかってますよ。
いつまでも付き合いたての初々しい二人じゃいられないことくらい。
でも、だからって……。
私はベッドへ戻って、彼の隣に横になった。
彼はまるで私にそっぽを向くように背中を見せて眠ってる。
その背中に触れて寄りそうも淋しさは埋まらない。
むしろ、余計に悲しくみじめな気持ちになるばかり。
こんなに近くにいるのに、どうしてこんなに遠いのだろう。
私は諦めにも似た気持ちで寝がえりをうち、すごすごと毛布にくるまり眠りについた。
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