恋の授業。




「ハイ」



綾子に向かって小さく手を上げるマリ。



「はいどうぞ」



それを指す先生役の綾子。

役は入れ替わったりするけど、いつものやり取りだ。



「ギブアップです。チェンジさせて下さい!」



あ?



「了解」



ワタシを置いて交わされる会話が若干失礼だ。



では…
わざとらしくそう言ってキャリアぶった綾子は、いつもの綾子で話し始めた。



「くーさ、なんか無理してない?」



えっ……

無理………?



「え、な、何を?な、な何をどんな…」



うろたえるワタシが話し終わる前に言われる言葉たちが、ワタシをえぐった。



「顔がヤツれてる。肌がボロボロ。目が淀んでる。完全に、負のオーラがでーてーる。」



…っ!!?

うそっ!



あまりのことに言葉が出て来ない。



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