恋の授業。
攻撃、開始
夜の公園でボーッとするのは好きだけど、なんとなくキザな気がして近寄りがたい。
それでも時々こうやってお気に入りのベンチに座って過ごすことがある。
今日は家に帰って『穏やかな笑顔』を振りまく気分にはなれないんだ。
スゥーっと、大きく空気を吸い込むと
春と、夏と…
なんとなく雨の混ざったような匂い。
「…ふぅーーー……」
季節の匂いで頭の中が洗われる気分。
「こんな所に1人で、何をしているんですか?」
目を瞑って空気の匂いに夢中だったワタシは、声のする方へ目を開ける。
同時に、痛いくらいに心臓が跳ね上がり
まるで金縛りかのように固まってしまった。
斜め前でこっちを向いて立っているのは
あのホクロメガネ…
「フッ、そんなにイヤな顔しないで」
クスクスと肩を揺らして笑っているレアなホクロメガネを見て、いつの間にか金縛りが解けていた。