恋の授業。


綾子は、ゆっくり言葉を選びながら話す。



「夏休みほとんど会えなかったし連絡もそんなに取らなかったけど、楽しくやってる証拠だと思ってたの。」



思ってた…?



「だけど今朝くーの顔見てビックリしたよ…」



ウンウンと頷くマリ。



「初めはさぁ、森川も受験組だから忙しくて全然会えないのかなって思ったんだよ、だから顔が冴えないのかなって。」



さっきより大きく頷くマリにたまらず



「冴えないは失礼でしょ?!」



と突っ込んだ。



「だけど、逆に毎日会ってる。」



「無視ですか?」



「それも、会えない日は電話でしょ?」



「……」



「くーさぁ、無理して会ってるんじゃないの?」



「えっ?」



「んー、違うか。自由がないことに、我慢しすぎてるんじゃない?」



自由…。



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