恋の授業。
自分の現状に気付いた瞬間、落ち込みが一気にやって来た。
爪は中途半端に伸びていて、甘皮も処理されてない。
その手で頬を触ってみれば小さなニキビに当たった。
眉毛を整えたのもいつだか記憶にない。
「どうしちゃったんだ…?」
落ち込んだ顔で縋るように2人をみたワタシを、綾子とマリはにこにこして見ていた。
「くーは、平気なの?自分の時間、無くて平気なの?」
ストレートに言うのはやっぱりマリだ。
「くーはそういう時間も大事にして、バランス取ってたんじゃないの?」
中学からワタシを知っている綾子の言うことは、多分当たってる。
「くーが大丈夫なら、くーも変わったってことなんだろうけど、あたしたちには無理してるようにしか見えなかったの。」
綾子が放ったトドメでワタシは言葉を失った。
ワタシ…
ワタシ…、こんなんになってたの?
いつから…
こんなボロボロな自分はいつからだろう。
「森川君、こんなボロボロなワタシとよく一緒にいたね…あは。」
これはワタシの本心だった。
こんなに手入れの届いてない自分とよく一緒にいたもんだと思う。
「森川は溺愛してるから。まだ盲目状態なんでしょ、よかったね!ッブッハハ!」
マリは落ち込んだワタシを持ち前の明るさで引っ張り上げようとしてくれる。