恋の授業。




「もっ、もしもしっ?!」



寝ていたことがなんとなく後ろめたくて、寝起きの声にならないように頑張ってみたけど



「あれ?寝てたの?」



その一言でいたたまれなくなる。



「ごめんね、いつの間にか寝ちゃってて…もしかして連絡くれてた?」



べつに悪いことしたわけじゃないのに、罪悪感の半端なさ…。



「うん…何回かメールしたんだけど…。」



あぁ…。
きっと今森川君、耳の垂れた犬になってる…。



残念そうに話す森川君から、その表情が痛いほどわかってしまう。



「本当にごめんね。何だった??」



「今、くーちゃんちの下にいるからちょっと会えない?」



えーッ?!
いるの?!
下に?!
聞いてない!



パニクりながらも、なんとか返事をして電話を切った後、最速でヨダレ跡確認をしてバタバタと走って向かった。



「くーちゃん。それ、パジャマ?」



慌てて出て来たから部屋着のままだった…。



「あっ…。ご、ごめん、こんな出で立ちで…」



今更失態に気付いたワタシは、もう気まずくて堪らない。

でも、次の瞬間更に気まずい思いをする。


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