恋の授業。




「いやっ、かわいいっ、今日のご褒美だっ!」



そう言いながら、突然ワタシを抱きしめる。


ギューーーっと、これ以上ないくらいの力で抱きしめられて、思わず顔が歪んでしまったけど、それよりも何よりも…



「え………」
「あ……………」



森川君越しに立っていたのは、今帰って来たと思われる父親だったのだ……。



…っ!!!?え!!!
いやっ、え?
……はぅあっ!



驚きのあまり口をパクパクさせるワタシと、それを見ながら同じく口をパクパクさせる父親。



「も、もも、ももももも!」



背中をバシバシ叩きながらなんとか言葉を発したワタシは、森川君を必死で引き剥がす。


なんとも不機嫌な顔で向かい合った森川君は、なんでダメなの〜?と、まだじゃれたりない犬のように拗ねていた。



いやいやいやいや、ヤバいって!ヤバイって!



言葉に詰まるワタシを見つめる森川君と…父親…。



ふぁぁあー。
最悪だぁーーーー



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