恋の授業。


自分の驚く様とホクロメガネの余裕な笑いがあまりに違い過ぎて、バカにされたような気になってしまう。



「わかりますか?だったら話しかけないでもらえますか。」



プイっと顔を反らしてやった。



「いい表情ですね。」



今度はニコニコと穏やかに言う。



「はぇ?……」



ワタシの嫌みなんて聞こえてないような言葉に思わず気の抜けた声が出て、顔を180度回す勢いでグルンとホクロメガネに戻してしまった。



「前に、いつもそうしていればいいのにと言った事、覚えていますか?」



あまりに真っ直ぐとワタシを見ていることにドギマギしてしまう。
今だって、ワタシと違って余裕があるんだろう。



「あぁ、忘れるわけないでしょ!」



こんな言い方も、子どもだと思われてるのかな。



「ッフ!そうですか。」



やっぱり‥!
見下して鼻で笑ってる!



「今、君が僕を見てムスっとしたその顔も、さっき目を瞑っていたときの顔も、すごく良い表情だと思いました。
作り笑いよりも、似合っていると思いますよ?どうしていつもそういう表情ではないんですか?」



なんだか、今日のホクロメガネは会った途端にズカズカと進入してくる。


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