恋の授業。
「なんだぁじゃあ予備校の前に少し会えたんだね…予約しとけばよかったよ…。」
あからさまに耳を垂らす森川君を見ながら思う。
予備校の前に会うと言っても、7時からなんだから、ほんの数十分だ。
「予備校ギリギリになっちゃうんだから、そんなのいいんだよ?」
森川君だってあっち行ったりこっち行ったり、疲れちゃうだろうし…
「俺は!くーちゃんと一緒にいられる時間は1秒でも逃したくないの!俺のくーちゃんなんだから!」
………。
俺の、くーちゃん………
………………。
好かれているんだと思う。
会いたいと思ってくれてるんだと思う。
少しだけ、不安もあるのかもしれない。
ワタシだって好きだけど…
会いたいけど……
でも…
でも。
「森川君。そのことなんだけど。」