恋の授業。




門限を初めてやぶった。



声が漏れるほど泣いた。



「大好きだったよ、大好きだったのにっ…ごめんね、ごめんね。」



やっとの思いで言えた精一杯の言葉を、何度も何度も繰り返した。



「くーちゃんのせいじゃない、本当にごめん。」



森川君はその度に慰めてくれるけど…、前言を撤回しなかったし、ワタシも縋らなかった。



なかなか泣きやめないワタシと、泣かないように必死な森川君は『別れる』ことを決めたのに、離れられなかった。



それでも…どんなに悲しくても、落ち着きはやって来て、私たちは…





『今までありがとう。また明日』





そう言ってバイバイした。


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