恋の授業。
「何その目…」
完全にパンパンのワタシの瞼を見ながら綾子が声をかけて来た。
朝の騒がしいホームでお通夜状態のワタシに気付いたなら察してほしい。
「察してくれるかな…」
「いやっ、まぁ、で、でも、さ、ほら…」
綾子と思えないほどの動揺で、ワタシは自分の痛々しさを痛感する。
「察したけどね?、ほら、大小、いろいろあるじゃん?」
あー。
大事か?ってことか。
「大!大だよ大!大に決まってるでしょ大!!」
「ちょちょちょちょ!わかった!わかりました!」
そう言ってワタシの口を塞ぐと、勘違いされるでしょ!とアタフタし始める。
あー面白いっ!
わけない…。
失恋と言っていいのかわからないけど、別れた次の日はさすがにキツかった。
“好きだけど別れよう”
少女漫画やドラマでは観ている側を切ない気持ちにさせる為の王道ストーリーだけど、当人はたまったもんじゃない。
物語みたいに落としといて持ち上げるパターンなんて現実にあるわけがないんだから。
ワタシ…超捻くれてる…ッフフ!